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組立 ピストンからクランクケースまで


走行距離51,800km 2012.08(中旬)


チューニングなどが終わって、いよいよ組立です。先ずは、ピストンの組立です。

注意点
 クランクシャフトは2人じゃないと取付は無理です。 クランクシャフトが4コンロッドに当たらない様に、
1人が2ほんのコンロッドをさけ、もう一人が残りのコンロッド2本を避けつつ、クランクシャフトを設置します。

構成
1、ピストン偏
 @ リング
 A サークリップ
2、シリンダヘッド組立
4、クランクケース偏


1、ピストン偏
@ リング

写真左:リングは、トップ、セカンド、オイルリングの構成です。 トップリングには、Rと刻印が有る面が上面、セカンドリングはRNと刻印が有る面が上面になります。



写真右:リングの組み付けは、SMにも詳細な説明が有りませんでした。。。。探しあぐれていたら、手持ちの本「バイクメンテナンス」にありました。





写真左:リングの入れる順番です。組む時はオイルを塗布します。 

写真中:組む前に頭に印を付けてからリングをセットしました。

写真右:組み終わったら、各リングが動くか確認しましょう。 もし動きが悪いようでしたら、リングが歪んでいる可能性が有ります。



A サークリップ

写真左:サークリップを外す時に、ぴょーんと飛ばして以来、装着時はどうしようかと、、専用工具もあるようだけど、高価だし。
    割りばしでセットする方法を発見。 割りばしの先端はV字にカットしておきます。
    サークリップの一端をピストンの溝にセットし、サークリップの真ん中辺を指で押さえて、サークリップの一端から5mm程を残して、 割りばしの先端で押さえて、サークリップの中心部に向かって押しこむ。

写真右:無事に成功、1本も飛ばしませんでした。セット後は必ず、溝に収まっているかを確認しましょう。



2、ヘッド組立
使用限界を超えたスプリング、やはり常用側が弱っていました。 それと、漏れが全体的に(苦笑)
4番2番
前エンジン常用
スプリングAインナー ×
休止
漏れ 
休止 常用
スプリングAインナー ×
漏れ
休止
漏れ
常用
漏れ
常用
漏れ
休止
漏れ
前側から見た状態です。

1番3番
後エンジン常用
スプリングAインナー ×
休止
スプリングBアウター ×
休止
スプリングBアウター×
常用
スプリングAインナー ×
休止
スプリングBアウター ×
漏れ
常用
スプリングAインナー ×
漏れ
常用
スプリングAインナー ×
漏れ
休止
スプリングBアウター ×
後ろ側から見た状態です。


灯油を入れて、漏れを確認したところ、1番 吸気側の常用バルブからぼたぼたと漏れてきました、、、(^^ゞ
急いで、擦り合わせをしました。 バルブの合口をなるべく広げたくなかったので、擦り合わせは少しづつやりました。擦り合わせ後ですが、ぽたっ、間をおいて、ぽたっと出る程度に納めました。
2万kmの時は、全く漏れてこなかったけど、、8万kmの時は、シリンダヘッドとバルブを交換したい。しかし、燃費ダウンの原因は、これか??




写真左:写真は、スプリングシートです。 ヘッドとバルブスプリングの間に入ります。

    VFR800だけなのか知りませんが、なかなか抜けないのが5〜6枚あった。
    変形もしていないし、、、そこで、バイク屋さんに聞いたら、消耗品じゃないそうです。

写真中:かじり防止に住鉱潤滑剤(SUMICO) や、有機モリブデンスプレーを使った。有機Moの方が透明なので汚れなくていい感じ(笑)
    ただ、反面、黒くなる方が一目瞭然なので忘れなくていいかな〜

写真右:私は、部品保管の為に箪笥用の物入れをペットボトルで仕切って分別しました。 他にもダンボールを使いました。




写真左:バルブスプリングコンプレッサーを使用するには、タペットホールにプロテクターを付けて、傷が入らないように予防します。

写真中:バルブスプリングコンプレッサーは、バルブのセンターに合わせます。

写真右:締めこむ時は、慎重に。




写真左:バルブステムシールは、8mmのソケットが丁度合いました。これで、押しこみます。奥まで入るとすこっと音がします。

写真中:コッタをセット出来たら、必ず、ソケットのコマを使って、ハンマーで軽く叩き、確りと収まっているか確認しましょう。
    スプリングが少し縮む様に軽くちょんちょんと叩きます。

写真右:前後とも完成、後はバルブリフターを装着すればOK

ピストン、シリンダヘッドが組み終わったら、いよいよクランクケースを閉じます。 ↓   ↓


3、クランクケース偏
ロアクランクケースに、ピストン、トランスミッション(カウンターにストッパー)、ピボットカラー、ノックピン、 オイルオリフィス(径の大きい方を上のクランクケースに向ける)、オイルジェットをセットします。 その上で、上クランクケースを合わせます。

写真左:クランクケースを触っていると、面取りがされていないので、切り傷が絶えません。  そんな訳で、クランクケースの合わせ面の内側を面取りすることにしました。
    それと、面取りにより、V字型の谷が出来るので、液体パッキンの溜まり場が出来ます。

写真中:オイルパンや、ウオーターポンプは再塗装しました。 塗装に使ったエンジンコートは、耐熱性は低い。 ヘッドや、こういった部分に使われるようです。

写真右:先ず、上クランクケースに4本のピストンをセットします。 お好きな順で結構です(笑)
    ピストンリングコンプレッサーは確実に締めこみます。 そして、ハンマーの柄で少しづつ打ち込んでいきますが、 ちょっとでも、硬くなったら、一度緩めて、確認しましょう。
    入らない時は、必ず、コンプレッサーが捩じれています。 この工具は、コンプレッサーのヘックスレンチを締めこむと捩じれ易いんですね。
    ヘックスレンチを締めこむ時、工具をクランクケースに押し込みながら回すと捩じれませんでした。



写真右:やっと4本セットを終えました。  次に、クランクシャフトをセットするのですが、一人では無理です。
   自分は、この後やっとクランクシャフトをセットし終えたと思ったら、アンビーバブル!!なんと、真ん中の写真に見えるクランクピストンベアリングが外れていました。
   おおお!! 想定外、何時外れたんだろう???  ピストンを外すのも面倒と思い、無理にドライバーで突っついて嵌めようとした、、、、。

写真中:ところが、つるっと滑って、ベアリングを傷つけてしまいました、、、ぞ〜(冷(^^ゞ)ここで、一息入れて、、、。
    傷は、爪さきで軽く段差を感じる程度でした。そこで、青棒で、磨いてやると段差が無くなり、つるっとした感触になったので、良しとしました。
    3番のメタルです。
    

写真右:もう無理せず、ピストンを抜いて、クランクピストンをセット、やっと、クランクシャフトとピストンが収まりました。ふ〜(^^ゞ。




写真左:クランクをセットしたら、前後にまわしながら、シックネスゲージでクリアランスを見つつ、動きやすい位置を探りました。

写真中:ベアリングキャップナットも中心から外側に締めつけます。 ナットの座面にオイルを塗布しトルクが均等に掛かる様にする。

    締めつける時は、シックネスゲージを挟みながら、締めこんだ。ばらす時に計測したクリアランスは左右それぞれ0.021mmだったが、何故か0.01mmほどに??その理由は、、右の写真

写真右: 0.021mmの理由は、ばらす時に測った個所は、赤矢印の2か所、組み立てる時は青矢印の4か所になった為、 クリアランスが半分になったものと思われます。




写真左:ロアクランクケースにミッション・クランク・ピストンがセット出来たところです。ミッションはニュートラルに、ニュートラルの状態は、メイン・カウンターは自由に動きます。
    液体パッキンは、上クランクケースに付けます。 自分は、ストレートからかったユニバーサルブルーを使っています。 乾燥後も硬化しませんので比較的パッキン滓を取り除き易い。

    上クランクケースとロアクランクケースを合わせたら  ↓  ↓
写真中:ロアクランクケース側から、メインジャーナルボルト9mm、8本を締めつけます。実は8本の内、2本だけ長いねじが有ります。 ところが、誤って短いボルトを締めこんで目ねじを5mmほど潰してしまいました。幸いにも、切った目ねじの長さが短かったので、正規の長いボルトで無事に締め付けられました。
    流石にホンダは賢い(*^_^*)

写真右:メインジャーナルボルトは、塑性域角度法といって、20N/Mで締めこんだ後、更に90度締めこみます。 マジックで印を付けると上手くいきます。ちなみにボルトは新品を使います。








写真左:オイルポンプにエンジンオイルを注入しました。 これで、オイルポンプを回す準備をしておきます。

写真右:エンジンを正立させました。 いよいよヘッド取り付けです。



組立 ヘッド取付から火入れ


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