VFR 800〜油圧ブレーキ装置OH
走行距離40,000km 2011.06.12
【バイク部屋へ】
最初にブレーキオイルを交換したのが走行距離20,110kmでした。 光陰矢のごとしで、走行距離4万kmを超え、2度目のブレーキオイル交換時期になりました。
4万kmということもあったので、この日の為に備えておいたLブレーキキャリパとリヤブレーキマスタシリンダを交換することにしました。
構成
1、注意点
2、交換した部品たち
3、ある意味SST
4、フロントブレーキキャリパOH
5、リアブレーキャリパOH
6、注入・エアー抜き
・レバーブレーキ系統
・サーボブレーキ系統
・ペダルブレーキ系統
7、作業を終えて
1、注意点
やはり、VFR800の場合、最大の特徴であるデュアル・コンバインド・ブレーキ・システムでしょうね。
Lブレーキキャリパとリアのブレーキキャリパにあるセンターピストンの間にPCVという弁の一種ではないかと思いますが、このPCVがあって、ブレーキオイルの交換がややっこしい点でしょう。
2、交換した部品たち
写真左:某オクで出ていたので買っておいたフロント左側ブレーキキャリパです。 激安でした!
さすがに新品、見のこの輝き(*^_^*)
写真中:長期保管品の様な感が有ったので、ピストンにはシリコンオイル塗布しモミ出しをやっておきました。
写真右:VFR800のブレーキは、ピンスライド式の為、ピンの動きが肝です。 古いグリスを清掃し、
Siグリスをたっぷりと塗布しておきました。
写真右:VFR800の場合、古くなってくるとリアブレーキマスターが錆びてしまってみそぼらしくなります。
新品を買ってきて焼付塗装しておきました。 こいつを奢ってやります。
写真右:そのままでは再利用できないので、オイルストーンで面出しをしました。 最初は、前後に研磨しました。掲示板仲間からこれでは駄目と教えて頂きました。
3、ある意味SST
写真左:リアブレーキブレーキキャリパのセンターんバルブを開閉する為に使うメガネレンチです。
特徴は、メガネを組み合わせて、関節を持たせたことです。
写真中&右:VFR800の場合PCVがあるので、写真の負圧式では無理です。 管理人はハンドルレバー系統の排出に使いました。 メーターで動作が確認できる点がいい。
4、フロントブレーキキャリパOH
先ずは、リザーバーキャップ固定ねじを軽く緩め、ハンドルを左一杯にまわして、リザーバーキャップを外します。
写真左:交換後2万km走行しました。 ブレーキ液は飴色に変色しています。
写真右:マスタシリンダは意外に綺麗でした。 キッチンペーパーで底部まで綺麗に拭き取ります。
写真右:右のキャリパーのOHをします。 キャリパーを一体化するボルトは、錆びだらけ!(^_^;)
写真中:ピストンを抜いてみると、意外と綺麗でした。 若干、オイルが固まったようなものが有りました。
写真右:シールを外すとき、シリンダに絶対傷を付けないように、爪楊枝を使います。 これだけでは外せないので、エアーを合わせて使います。
写真右:右キャリパーの際下端にあるピストンです。 マイクロメーターで計測すると摩耗による外径の減少はないようでしたが、小石等によって傷が付いていました。新品に交換です。
写真中:左キャリパを支えているベアリングのカラーです。 小さな傷が結構ありました。 今回は見ない事に(笑)
写真右:ベアリングのグリスは大分弱ってきていました。 新ししいグリスをたっぷりと
5、リヤブレーキキャリパOH
決まりですが、リアタイヤを設置した状態でホイールナット、キャリパを一体化しているボルト3本、キャリパマウントボルト、オイルボルトを緩めておきます。
リアのリザーバータンクは、薄らと汚れが底部に沈澱していました。 ここまでは、驚くことは無かったけど〜。
↓ ↓ ↓
写真左:リアブレーキキャリパをばらしました。 先ず気が付いた点は、フロントと同じですが、キャリパを一体化しているボルト3本が錆びだらけ( 一一)
写真中:でましたね〜、ブレーキオイルが固化したものや、スラッジの様な、うひゃー、すげー(^^ゞ
全部ここに溜まっていたんですかね〜
写真右:外しずらいのがシールです。 ここでもエアーで外します。 外側のシールならエアーの力だけで飛び出します。
写真左:1/1000mmまで計測できるマイクロメータで確認しました。 4万km走行では全く問題ない値でした。25.352mm程、限界は、25.310mm
写真中:ピストンを挿入する時は、シリコンオイルをシールやピストンに塗ってから、写真のプライヤーで回しながら挿入するとすんなり入ります。
写真右:組み立てる前に、2つのキャリパの合わせ面に薄くグリスを塗り、キャリパ固定ボルト3本の座面に水が入らないようにグリスを塗っておきます。
写真左:キャリパーのスライドピストンにある赤丸のゴムブーツは確りとキャリパーに固定されているか良く確認しましょう。
写真中:ペダルブレーキのマスターシリンダーも真黒です。 新品が有ったので交換することにしました。
写真右:ステップ越しに見える輝き! 新品に焼付塗装をしておきました。
6、注入・エアー抜き
VFR800にはPCVがあって、一定の圧力になると開弁するようです。
負圧式ブリーダーは使えませんので、リアはペダルを踏んで注入・エアー抜きをします。
・レバーブレーキ系統
ブレーキレバーのマスターカップを開けてオイルを足します。
エアー抜きの個所は、フロント左ブレーキキャリパと右ブレーキキャリパの上端にあるバルブです。
・ペダルブレーキ系統
リアマスターカップにブレーキ液を入れ、ペダルブレーキを動かして以下の個所からエアー抜きをします。
写真左:バッテリー脇にあるバルブ
写真中:フロント左ブレーキキャリパのセンターバルブから、エアー抜きをします。
ワンマンなので、写真様な棒でペダル操作をしつつ、バルブの開閉をします。
写真右:リアブレーキキャリパのセンター及びアウターバルブから、エアー抜きをします。 写真の自作工具を使うとワンマンでもOKです。
ここで、一度走行してブレーキを掛けます。 この時点では、エアーが抜けきらないのでブレーキ操作をするとスポンジを潰しているような感じになります。
でも、試走により、エアーが移動し、キャリパーの天井に溜まってエアーが抜けやすくなります。
2度目のエアー抜きは、レバーブレーキ系統とペダルブレーキ系統だけですませます。
注意することは、リアブレーキキャリパのエアーが完全に抜けるように、リアブレーキディスクの真ん中辺に付けて、バルブが天を向くようにすることです。
仕上げの3回目のエアー抜きは、↓ ↓ ↓
・サーボブレーキ系統
該当するマスターカップは判りません。(__)でも、上記のエアー抜きで殆ど抜けているので、ブレーキオイルの排出量が少なくてすみますのでブレーキオイルを足す心配はありません。
エアー抜き個所は、赤丸印のバッテリー脇にあるPCVバルブです。 操作個所は、青矢印のセカンドマスターシリンダーを手でピストン運動!
サービスマニュアルでは、この後に、リアブレーキキャリパのセンターバルブからもエアー抜きをしています。
管理人はめんどいので様子見にしましたが、試乗しても満足のエアー抜き状態でしたので、これで良しとしました。
作業を終えて
今回はキャリパー内が空の状態からオイルを注入しました。 試験走行すると、スポンジを踏む感覚が出た、やはりといった感じ
試験走行後エアー抜きをするとあんのじょう泡が出てきました。 恐らく、エアーが浮いてキャリパーの天井側に溜まったのだと思います。
そして、一昼夜経ってサーボブレーキ系統のエアー抜きをするとまたもや気泡が若干出てきました。 でも、出方が少ないので、走ってみると満足な状態になりました。
私は、この作業で、約500cc使いました。 結果的にこの方法が一番ブレーキオイルの少なくなる合理的方法かと思います。
この写真はコンバインブレーキのセカンドマスターピストンです。 計測すると12.653mm、限界値ギリギリでした。
フォークという振動の激しい環境のせいでしょうか、4万kmで交換です。 定期的メンテナンスは必須ですね。
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