サーモスタット交換
走行距離11,650km

【バイク部屋へ】

 VFRの冷却液の交換サイクルは、4年間なので、マイVFR(3年7月)は、大丈夫ですが、冷却水の真価が問われる真冬になる前に交換することにしました。
 外して判ったのですが、サーモスタットは、死んでいました(・_・;)
 この作業は、C4 VTECのサーモスタット交換より、大変ですが、遊び心で楽しくやってみましょう!
 管理人は、サーモスタットケースをピカピカにしてやりました。(*^_^*)

構成
1、ラジエータキャップとサーモスタット
2、作業の注意点
3、冷却液排出
4、タンク外し
5、エアクリ外し
6、スロットルボディ外し
7、サーモスタット外し
8、サーモスタット取付
9、スロットルボディ取付
10、エア抜き


1、ラジエータキャップとサーモスタット
 雑誌を見ていたら、判りやすかったので、ご紹介いたします
 
 ラジエータの循環システムは、通常の沸点100度を超えても沸騰しないようになっています。
 密閉されている為、温度の上昇とともに、内圧が上がり、そのままだと、ホースなどが破裂してしまいます。
 それを防ぐ為に、ラジエータキャップがあります。
 また、ラジエータキャップは、ある一定の圧力になると、開いて、冷却水をリザーバータンクへ逃がすようになっています。  水温が下がると、圧力が下がって、バルブが開いて、リザーバータンクから、冷却水を吸い込むようになっています。

 こんなことから、エア抜きが大事なことがわかりますね。

 VFRのサーモスタットは、80度から弁が開いて、95度で、全開になります。
 つまり、サーモスタットは、水温によりラジエータに流れる量を調節し、水温を適正に保つ働きをする部品です。



2、作業の注意点
@、冷却液を抜く時、周りを汚しやすいので、屋外で抜きましょう。

A、スロットルケーブルをスロットルボディから外した後、スロットルバルブを全開から、前閉にしないこと。
  インテークポートは、ビニールで塞ぐ。

B、冷却液濃度30%溶液を作成
ホームセンターで購入した冷却液(容積2L)です。残念ながら冷却液濃度80%の物しか売っていませんでした。
2Lのペットボトルを利用して30%濃度溶液を作りました。

濃度80%LLC溶液、2L入りから、濃度30%LLC溶液をつくります。
80%=LLC/2なので
LLC=1.60(濃度80%LLC溶液2l入りには、LLCが1.60l入っている)
濃度80%LLC溶液2l入りに入っている水の量は
2−1.60=0.4なので
30%LLCを作る為の式は
0.3=1.60/{(W+0.4)+1.60}
求める水:W=1.6/0.3-0.4-1.6
W=3.33l
つまり、2l入りの濃度80%LLCに水3・33L足せば、濃度30%LLCを5.33L作れる。
実際には、2Lのペットを2本をつくり、且つ、濃い目にしました。
VFRは3.82l必要です。
濃度が、30%かチェック
1.6/{1.6(LLC)+0.4(水)+3.33(水)}
=30% OK


作業は、カウルを外してからになります。

3、冷却液排出

写真左:ドレンボルトを外して、冷却液を排出します。
この時、ジョッキ備えておき、ウォーターポンプにあるドレンボルトを外します。ラジエータキャップを外すと一気に出てくるので、誰かに、ラジエータキャップを外してもらった方が良いです。
ウォーターポンプ側は、どっと出てきます(@_@;)

写真右:冷却液を浴びるわけにはいきませんので、外しにくい位置にあるFエンジンブロックにあるドレンボルトは、ウォーターポンプにあるドレンボルトの次に外します。
その様に外すと、エンジンブロック側からは、あまり出てきません。

抜いたら、新品のワッシャーを使って、ボルトを締め付けます。
リザーバータンクの冷却液も新しい冷却液と交換しますので、もし、リザーバータンクが冷却液で汚れていたら、ナットを入れて、振るってやると、汚れを落とせます。
また、この時、ラジエータのフィン潰れがあるかチェックしましょう。若しあったら、マイナスドライバー等で、そっと矯正しましょう。

話は、横道にそれます。
VFRの場合、ラジエータからの、送風方向が、バイクの外側から、内側に流れ、更に、エンジン下部へ流れていくので、ライダーに、熱風が当たらない様になっています。
こった造りに、驚かされます。流石に、高級車(*^_^*)

4、タンク外し

写真中:燃料タンクマウントボルトを外し、燃料タンクを持ち上げ、外した燃料タンクマウントボルトをフレームに仮付けします。
    そして、車載工具の柄の穴に、仮付けしたマウントボルトを差し込んで、タンクを支えます。(*^_^*)

写真中:タンク裏のトップ側にある、エアベントチューブ、オーバーフローチューブを抜きます。

写真右:フェールポンプ2Pカプラ(茶)、フェールユニット2P(青)を抜きます。

チューブの取り回しを覚えておきましょう。
リア側には、フェールチューブ、フェールリターンチューブ、エアベントチューブ、オーバーフローチューブ、二次空気供給ホースが横たわっています。


フェールチューブ、フェールリターンチューブは、接合箇所にペイントがしてあります。
メーカでは、不必要にいじって欲しくはないのでしょう。
フェールタンクを閉じ、フェールタンクリアマウントボルトを外します。

フェールタンクを上下逆にします。ぐらぐらしないように、ゴム等を挟んでおきます。亀だ〜(笑)
フェールリターンチューブを外す。

フェールバンジョウボルトを緩め、フェールチューブをタンクから外します。



5、エアクリ外し
サイレントラバーを外す。
可変吸気バルブダイヤフラムから、負圧チューブを外す。
スクリュー7ヶを外し、エアクリーナーケースカバーを外す。
作業は、サクサクっと運ぶ(^^♪

二次空気供給制御ソレノイド2Pカプラを外す。

二次空気供給エアチューブをエアクリから外す。

Pbセンサカプラの接続を外す。
Pbセンサカプラは、二次空気供給ソレノイドバルブの右側の直ぐ隣にあります。

負圧チューブをPbセンサから取り外す。


写真左:エアクリマウントスクリュー、エアファンネルマウントスクリューを外す。
各エアファンネルは、向きがあるらしく、ファンネル上端の口に薄く90度の印があるので注意してください。
写真右:クランクケースブリーザーチューブの接続部です。思いのほか、綺麗だったのでびっくりです。
C4 VTECの時は、赤茶けていましたから(@_@;)
管理人は、エアクリ内部をパーツクリーナーで洗浄し、Siスプレーを吹き付けて綺麗にしました。

エアクリケースを持ち上げ、Taセンサ2Pカプラ(白)の接続をセンサから外す。

バイパスコントロールソレノイドバルブ2P(灰)カプラの接続をコントロールバルブから外す。

ワンウェイバルブから負圧チューブを外す。

これで、やっとエアクリを外せます。(・_・;)



じゃーん、これがスロットルボディーです。

6、スロットルボディ外し
*スロットルケーブルをスロットルボディから外した後、スロットルバルブを全開から、前閉にしないこと

スロットルボディーサブハーネス10P(灰)カプラを外します。10P(灰)カプラは、上の写真中、半透明のカバー内にあります。
アイドル調整スクリューをホルダーから外す。


写真左:フレームの切りかきから、ドライバーを入れて、インシュレータバンドスクリューを緩めて、スロットルボディをインシュレータから外す。

写真右:スロットルケーブルのエンド固定ソケットボルト2ヶを外す。
良く見るとわかりますが、上側のケーブルが、上方に緩いカーブを描いていますね。これが、スロットルグリップの遊びになるわけです。
下側のケーブルは、逆に張っていますよね
この部分も、重要な箇所らしく、ケーブル固定のダブルナットなどは、黒色と、赤色の2色で印がありました!
太鼓をドラムから外す。

ワックスユニットの前後にある、バンドスクリューを緩めて、チューブを外す。

インシュレータは、交換しました。
C4 VTECの時、キャブレターの洗浄した時の経験から、交換としました。
次回4年後にクーラント交換時に、スロットルボディーを外すとなると、インシュレータがー張り付いていて、剥がすが大変になるだろうとの、思いからです。
*インテークポートは、ビニールで塞ぐ。


写真左:スロットルボディの端に力いっぱい力で引き上げます・・・、がっぽ!
スロットルボディが外れました。C4 VTECの時は、格闘の末に、外せましたが、VFRは、思いのほか、結構簡単でした。 やはり、設計が新しいからかもしれません。

写真右:ついでに、インテーク側の中も様子を見ました。まー、こんなもんでしょう。ピストンバルブには、油がついていないので、ほっとしました。

7、サーモスタット外し

バイパスホースをウォーターポンプから外す。

シリンダーへ流れている、パイプ(ウォーターホース)のクランプスクリュー2個を緩める。

暫く、写真がありません。もう大変です。外しまくります。(・_・;)
アッパラジエータホースクランプスクリューを緩める。
アッパラジエータホース、エア抜きチューブをサーモスタットから外す。
ウォーターホースをウォータージョイントから外し、サーモスタットを外す。


写真左:やっと、外れたー。

写真中:ところが、これが凄いんです!!錆とVバンクにあるせいでしょうか、真っ黒でした。写真は、清掃後です。 判りづらいかもしれませんが、錆びていた部分の写真です。

写真右:管理人は、錆を落す為に、錆落とし剤にどぶ付けをしてやりました。


写真左:シルバーで再塗装し、クリアーを全体に吹き付けをしました。これで、暫くは大丈夫でしょう。
今回のサーモスタット交換をショップに出したら、こんなことは、してくれないでしょう。やっぱ、愛車のメンテをDIYすることって、素敵ですよね(*^_^*)

写真右:左と右を比べると、背が違いますよね〜、実は、左側のサーモスタットは抜けちゃっていました。
どおりで、最近、水温が上がらないと、思いながらも、冬のせいかと思い込み違いでした。(・_・;)
C4 VTECの時も、やはり、開きっぱなし状態で、壊れていました。

後は、サーモスタットカバー外して、Oリングを交換します。

写真は、ウォータージョイントを外しているところです。
Vバンクの谷間は、非常に狭小です。管理人が使っているめがねレンチはKTC製です。長さ10cmくらいです。これくらいでないと、工具が入りません。(・_・;)


シリンダーブロックから出ている、ウォータージョイントにもOリングがあるので、新品のOリングと交換しました。サーモスタットハウジングにあるOリングもついでに交換します。
安いので、ケチらず交換しましょう。


8、サーモスタット取付
ウォータージョイントを取付たら、何本もの冷却ラインをつなぎますが、車体から、抜いた状態まで、組みつけてから、残りのパイプをつなぐようにした方が簡単です。

写真は、総てのウォーターラインを取付け終えたところです。


9、スロットルボディ取付
インシュレータバンドの取付角を確認する。
インシュレーターも交換しましたが、組み込む時の注意としては、ロングのドライバーが届くのを確認してから、バンドスクリューの向きを決めた方がよいです。
次回、外す時を考えて、ねじの向きは、決めましょう。私の場合、工場で組み付けした状態と、ねじの向きは変えました。というか、工場では、生産ラインで組立てているからでしょう。メンテの際の条件を考えていないように思えます。

インシュレータの口には、Siグリスを塗ってやります。次回から、抜き易くなるはずです。

ウォーターチューブをファーストアイドルワックスユニットに接続し、チューブバンドスクリューを締め付ける。

インシュレータバンドの間隔は、スロットルボディ側が、7mmくらいです。
シリンダヘッド側が、10mmくらいとなっています。


2007年12月17日付け、追記
スロットルボディーを取り付けたら、アイドル調整スクリューの動作確認をする。
アイドル調整スクリューを回したら、アクセルグリップ2回くらい回してやる。


10、エア抜き
外しの逆に組立てたら、エア抜きです。
リザーブタンクを取り付け、リーザーブタンクに冷却液をレベルまで入れます。
冷却液を、フィラネックの口一杯に入れます。
この時、バイクを左右に2,3度傾けてゆすってやります。
エンジンを始動し、数分間アイドリング運転をする。サーモスタットが開く温度まで、回してやります。
ラジエータキャップを開いて、不足していたら、足してやります。

作業を終えて
いやー、今回もあせりました。
火入れの時は、心臓どきどき。エイッと、キーを回すと。バッ、バッバルーン。ヤッターと思ったら、アイドリングの回転が高いのです(・_・;)
3,000回転ぐらいだったので、エア抜きを先に済ませて・・・。以前、C4 VTECの時の経験を思い出しました。
そうなんです。電子燃料噴射装置付エンジンでも、所詮、ワイヤーでアイドリングの回転数を制御するのです。
アイドル調整スクリューねじが、どうも、スロットルボディーを弄った時に、高回転の位置でひっかかっていたようです。
みなさんも、この様な事があったら、とねの言葉を思い出してください。(*^_^*)

写真では、ちと判りづらいかもしれませんが、赤枠内に緑色が見えると思います。
この部分が、Vバンクの谷です。ここに冷却液をこぼし、冷却液を拭こうとして、ビックリ!
砂や、ゴミが入っていました。エアーを吹き付けて綺麗にしましたが、完全には、綺麗に出来ない部分です。

サーモスタット交換の目安
走行中、気になった点は、12月のこの時期の場合、水温が70度過ぎくらいから、なかなか上がりませんでした。
この事は、同じ、VFR800乗りの方も同様なことを話していました。以下、参照。
時期は、真冬、水温:走り出すと間もなく75〜80度位。
新車購入後、2年以内のようでした。

以上のことから、走行中の水温が、サーモスタット交換の目安になるでしょう。


2012/5/20追加
走行距離49960km
数ヶ月前から、年明けてからの寒い冬の時期だと、78度前後に水温が達するが、その温度上昇が遅い感じがするようになってきた。
記録を見ると、前回サーモスタットの交換をこの記事に掲載して以来だから、走行距離11,650km → 49960km期間は、'07・12・16→ 2012/5/19


写真左:外見上、先ず、傷がありました。サーモスタット中心の柱にてかっている部分が見えますよね。 擦れているね。

温度は87度でした。 正常値は80−84°です。しかも、リフト量も規定値(8mm)より、若干劣る感じです。

【このページのTOPに戻る】

inserted by FC2 system