ドライブチェーン交換
走行距離11,040km>
【バイク部屋へ】

きっかけは、チェーンのたるみ調整時(走行距離10,050km)判ったのですが、規定値(たるみ)に、あと5mmの状態でしたので、交換するとことにしました。
今回、併せて、ブレーキキャリパのもみ出し洗浄をしました。


構成
1、部品紹介
2、作業の注意点
3、取り外し
4、キャリパー洗浄
5、取付


1、部品紹介
スプロケット
純正品のFスプロケットは、VA8用なので、パス。Fスプロケットをサンスター社製にしたのですが、これが大変でした。
国内VFR用のスプロケは、サンスター社のカタログによると、525となります。しかし、純正品のチェーンは、DID50VA8で、サイズ530、リンク数110になります。
525←→530、どうして?
ドラスタの店員さんが親切な人で、部外に調べて頂いて、国内外共に、スプロケットの厚み、芯も同じことが解ったので、国外用VFRのスプロケット(530、16T)を頼みました。
上記の間違いは、AFAM社も同様でした。(-_-;)

表に、512と刻印があります。型番は、512-16です。
材質は、特殊モリブデン鋼です。大昔の記憶では、硬くて、粘り強い鋼材だったとおもいます。表面には、四三酸化皮膜処理がしてあって、真っ黒です!

同時注文のRスプロケ(純正品、43T)には、43と刻印があります。現車及び注文した部品の厚みを計ったら、共に、8.8mmでした。これで、安心できました。





チェーン
純正品は、ピンにゴムが挟まっていて、静かなのですが、強度的には、落ちるのではないかと思料します。
何故ならば、走行距離10,050kmで、チェーンのたるみが規定値に後5mmです!
そもそも、チェーンの伸びは、ピンとその接合部のがたによります。
原因は、アクセルワークやブレーキングの仕方だけだろか?VA8は、ピンにローラーが挟んであるゴムの厚み分、ピンの長さが、短くなっているので、一般と違ったモーメントがピンにかかるけど・・・どうなっているのかな〜?
しかし、1万km強で交換かよ〜(泣)


DIDさんに、国内版VFR800 2004年式に適合するチェーンを照会したところ、50VA8、又は、50VMでした。

今回は、強度的に優れる50VMを採用しました。 50VMは、チェーンの大きさは、530になります。
最初の5は、チェーンピッチを示し、30が、ローラの内幅です。
このことを知っているだけで、どこのメーカーでも選択できます( ..)φメモメモ

両者を比較しやすいように、530の上525を乗せてみました。
下側にある、530の方が、約1mm広く見えます。





 クラッチスレーブシリンダ
管理人は、念の為、プッシュロッドのオイルシールを交換することにしました。
VFRの場合、クラッチスレーブシリンダーを外さないと、ドライブスプロケットは、外せません。
この機会に、構造など覚えておきましょう( ..)φメモメモ

油圧クラッチは、ワイヤー式と比べると、半クラッチの感覚が出にくいと聞いたことがありますが、VFRは、C4(ワイヤー)と操作感が、同じです。半クラッチが上手く出せます。(*^_^*)
それから、大型化に伴って、クラッチ板も、大きくなっているので、クラッチワークが、大変かと想像していましたが、その様なことはありませんでした。流石に、高級車!




2007年11月16日付け、追記
オイルシールをはじめて引っこ抜きましたが、結構きついです。
リフタロッドの穴に、刃先が曲がったペンチの刃先を入れて、シールの裏側に引っ掛けて、引っこ抜いてください。

但し、リフターロッドのあたる部分や、ピストンに、傷つけないよう、細心の注意をして下さい。

2、作業の注意点
 (1) かしめは、一度に作ろうとせず、ノギスで、測りながら、数回に分けて、作りましょう。
    一度にかしめを作ろうとして、規定値より大きくしてしまうと、亀裂が入ってしまうことがあるそうです(恐)。
    大きさは、SMによると、5.50から5.80mmです。

 (2) ピンスライド式のブレーキキャリパーは、キャリパーブラケットのスライドする部分に薄くグリスを塗ること。


3、取り外し
リアホイールナットを軽く、緩めておきます。そして、メインスタンドをかけ、カウルを外します。


写真左:ボルト3本(赤色の丸印)を外して、クラッチスレーブシリンダーを外します。
    ボルト2ヶ(青色丸印)を外して、スピードセンサーも外します。

写真中:クラッチスレーブシリンダーには上下2箇所にノックピンがあって、なかなか外れません!
    管理人は、先の尖った物を、ノックピンのある箇所から差し込んで、軽く手で叩き込んだり、プラスチックハンマーでケースの回りを、軽くとんとん叩きました
    すると、カポットはずれました。綺麗に剥がせたで、今回は、再利用しました。買ったパーツは、予備としました。

    この様に、ガスケットは、無理に外さないようにしてください。気長に叩いたりしていると、必ず外れます。
    C4のクランケケースカバーを外した時も、この方法で外せました。

写真右:ここで、困ったことになりました。ノックピンを見ると、腐食していました。ノックピンをどうしても抜けませんでした。



写真左:そこで、万力で、ノックピンの頭を潰して、裏側から、ピンポンチを使って、打ち出してやりました。やったー(*^^)v!

写真中:抜き出した、ノックピンです。見事に錆だらけでした。

写真右:クラッチスレーブシリンダーを外すと、中にスプリングがある為、ピストンが出てきますので、押さえなければなりません。
    管理人は、こんな時、写真のような大きな洗濯ばさみを使います。これだと、簡単に、挟んだり、外したり出来て、便利(*^_^*)
    外した、スレーブシリンダーは、ゴミが付かないように、袋に入れて、吊って置きます。

 この、パッキンですが、スレーブシリンダーをはめ込む方に、切りかきがあるのです。
 どうも、完全な密閉性を持たせる為のものでもないようです。このことは、イマイさんも、同様なことを言っていました。
 それから、組付ける時、パッキンにオイルを塗っておくと次回綺麗にはがせます。


    
2007年11月16日付け、追記
ノックピンのお話の続きになります。
ノックピンの入っていた穴を見ると、これがまた凄い!ピンの錆が付着しているのです。
この穴に、新品のノックピンを入れようとしたのですが、きついのです。
この錆を放置しておくと、新しいノックピンに錆を発生させてしまいます。
そこで、錆おとし剤を塗布したり、色々やってみたのですが、駄目でした。(・_・;)
そこで、ひらめいたのが、リューター登場です。早く気が付けばよかった(笑)
写真の左側が研磨後です。右が、色々やった状態です。これでも、幾分か、綺麗になった状態でした。

注意点は、調子に乗って、研磨しすぎないこと、過ぎると、ノックピンがゆるゆるになって話しになりませんよ〜(笑)。
ノックピンの場所(裏から叩き出せない)によっては、ノックピンを溶接付けして、スライディングハンマーで取る方法もあるようです。




写真左:ドライブチェーンカバーを外すと、ガイドプレートが出てきますので、これを外して、ドライブチェーンガイドプレートを点検します。磨耗しているようであれば交換です。

    ドライブチェーンスライダーは、スライダーに刻まれている矢印まで、減っていたら交換です
    点検したところ、ドライブチェーンガイドプレート、スライダー共に、全く減っていませんでした!
    C4の時は、走行距離23,600でチェーン交換でした、その際、ドライブチェーンガイドプレートを点検しましたが、全く問題がなかったように記憶しています。
    逆に、この部分が減っている場合は、相当先の事になるかな!?

写真右:しかし、古いグリスでべとべとです。きちゃない!!

    ステップも外します。この方が、作業スペースが確保できます。

以下、暫く写真がありません。写真を撮り忘れてしまいました。m(__)m
ドライブスプロケットボルトを緩めます。私は、エアーインパクトレンチを持っていますので、エアーの力で外します。
無い方は、ローにギアを入れて、フットブレーキを踏んだら、トルクを掛けられます。


リアのドリブンスプロケット固定ボルト6ヶを緩めます。アクスルベアリングホルダー割締めボルトを軽く緩めます。

リアホイールナットを外して、タイヤを外します。
C4 VTECの場合は、アクスルシャフトを外さなければならず、大変でしたが、VFRのタイヤを外しは、簡単だ!



写真左:ドライブチェーンケースクリップを外します。
    プラスドライバーで少し左に回してから、管理人は、写真のような工具(車の内張り剥がし)をつたら、ぴよーっと抜けました

写真右:ドライブチェーンケースマウントボルト4ヶを外し(赤矢印に2箇所)、リヤブレーキホースを固定している金具を外して、ケースを外します。
このねじは、緩み止めが塗布されていますので、ねじの頭を潰さないように、押し7回し3で力を入れてやります。また、この箇所は、大変狭小で、ANEXのスタッビドライバ 大活躍でした。カムアウト防止付です。

次に、ドライブチェーンケースマウントボルトを外すと、やっとケースが外れます。^_^;



写真左:切断には南海のH型チェーンカッター3ウェイツールを使います。
    工具のセット方法は、工具右側にある2つのソケットボルトが向かって右側に見えるように、セットします。
    2つのソケットボルトは、外してから、チェーンのピンを抜きます。
    取説に書いてあるボルトA2本を交互に締め込んで、ピンを抜いてやります。

写真右:チェーンカットは、グラインダで、ピンの出べそを落としてから、この工具を使ったほうが、簡単です。

    次に、アクスルベアリングホルダー割締めボルトを完全に緩めます。こうしないと、ベアリングホルダーは、緩みません!!



写真左:車載工具のフックレンチを、ベアリングホルダーの上側に引っ掛けます。
    そのまま下ろすとチェーンがゆるむので、この時に、チェーンのジョイントを抜いて、チェーンを外します。

写真中:ドライブの新旧を比較すると、古い方(下)は、山が少しとがって見えます。

写真右:ドリブン側は、目視では、新旧の差が判りませんでした!
    チェーン、ギアセットで交換が原則なので、泣く泣く交換しました。(ーー;)

次に、ドリブンスプロケット固定ボルト6ヶを外します。



写真左:ブレーキキャリパを外しますが、その前に、パッドとディスクの間を広げてやります。この方が、取り外しが容易になります。
    丸印の辺りとディスクを両手で挟んで強く握ると、キャリパピストンが押し込まれて、パッドとディスクに隙間が出来ます。

写真右:キャリパーマウントボルトを外しますが、奥にあるボルトは、狭小な箇所にあります。管理人は、写真のようなロングのソケットがあったので、助かりました(笑)
    マウントボルト2箇所あります


4、キャリパー洗浄
 ピンスライドの特徴
 キャリパーには、ピンスライド式(キャリパーが1つ)と対向ピストン式があります。VFRはピンスライド式です。C4 VTECは対向ピストンでした。
 ピンスライドの特徴は、構造が簡単なので、スペースが制約される車両に向いています。対抗ピストン式と大きく異なる点は、構造上、パッドが均等に磨耗しないことです。
そこで、注意点に、記載したとおり、スライドピンの部分が円滑になっていることが重要なのです。

ブレーキキャリパーピストンは、フットブレーキを踏んで少し出しておきます。



写真左:ここで、ブレーキキャリパピストンプライヤーの登場です!
    これは、超便利、キャリパーピストンをくるくる回してやって、歯ブラシで綺麗にしてやります。

写真中:バケツに入れて、ブレーキキャリパを洗浄をしてやります。
    バケツには、中性洗剤とお湯を入れて、歯ブラシで洗浄します。

写真右:管理人が使用した、洗剤です。これは、結構綺麗に落ちました。ゴムを犯さないというところが特徴です。ストレート製です。

清掃後、ピストンに、ブレーキオイル(又は、Siオイル)を塗布してやり、押し込んでやります
ブレーキキャリパを組み付け前に、パッドピンには、軽くグリスを塗布しておきます
パッドは、鑢で凹凸を均しておきましょう。勿論、パーツクリーナーで汚れを落としておきます。

VFR(ピンスライド式)のキャリパを、初めて割ってみましたが、注意点は、スライドピンの箇所にある、キャリパーピンブーツが2個ありますが、最初ここを、つまんで外そうとしましたが、滑って無理でした。
一気に、キャリパーを割ってやると、ブーツも外れました。でも、このブーツは、ゴムで出来ているので、古い場合は、交換した方が良いかもしれません。
パッドスプリングを外す時も、指でひっぱる程度では、外れません!
マイナスドライバーをキャリパーとパッドスプリングの間に差し込んで、てこのようにこじってやると、ぴょーんと外れます(笑)

それから、パッドの裏側に、鳴き止めを塗っておくという記事を見かけますが、これは、不要です。C4の時も塗らなくても鳴きませんでした。



この他に、VFRは、C4の様にダブルキャリパーではなく、ピンスライド式なので、キャリパーブラケットのスライドする部分(赤矢印の範囲)にSiグリスを塗っておくともに、キャリパーの受け口の穴にも、グリスを充填すること、また、キャリパーブーツにもSiグリスを充填しましょう。
必ず、動作確認をすること。

ここが、がちがちでは、話になりません(笑い)





5、取付
ブレーキキャリパを元どおり組み付けて、ドリブンスプロケット固定ボルト6本を、対角線に数回に分けて、均等に締め込んでやり、規定トルクで本締めします。
トルクは、64Nmです。

ドライブスプロケットの締付けトルクは、51Nmです。

チェーン張り
チェーンを前後の歯車にとおしたら、つなぎますが、付属のОリングは、忘れないように!
バイクの中心側から、マスターリンク、Oリング、チェーン、Oリング、リンクプレートの順番になります。

チェーンどうしをつないでやり反対側のプレートを圧入していきます。
圧入するときはH型工具の向きを変えないといけないので、取っ手を逆に付け替えます。


 左の画像が圧入する準備が整った状態です。
銀色のセットピンに圧入プレート、チェーンプレート、Оリングの順で入っています。
セットした反対側にずれないよう小さな窪みがあるので、それにチェーンを合わせてやってから、セットピンを押し込んでやり蝶ネジを締めて固定します。

後はボルトを締め込んでいくと圧入されていきます。この圧入加減が難しいのですが、これまたH型が良く出来ていて圧入プレート(チェーンプレートではない)が両サイドの チェーンプレートに当たる所で調度いい具合になるようになってます。


チェーンプレートを締めこんだら、チェーンを動かして動作確認しましょう。


カシメる時は、H型の取っ手を元のとおりに戻して、チェーンカットの時は取り外していた、黄色のシール側のボルト2本も圧力が逃げないように取り付けておきます。 ボルト2本を入れて工具をチェーンに取り付けたら、交互に締め込んでいきます。

締め込み過ぎないように注意して、ノギスで測定してやります。勿論、付属のゲージで確認してもOKです。
あと、かしめ部分の割れの確認方法ですが、つめ先で、ぐるっとなぞってやると、判るそうです。




ブレーキホースをチェーンケースの上に正しく取付ける。純正品は、白くペイントがしてある方が、PCVのホース(タイヤ側)です
ブレーキホースクランプ、ドライブチェーンケース、ドライブチェーン裏側のドライブチェーンクリップをさくさくっと取り付けます。


ここまできたら、チェーンを張ります。ベアリングホルダの切かきに、フックレンチを掛けてやり、左側に回します。
【チェーンたるみ調整】を参照してください。
新品は初期伸びするので、しばらく乗ったらまたチェーンを点検しましょう。

 VFRは、エキセントリック方式なので、C4等のアクスルシャフトで左右の調整により、チェーンラインを確認する必要がありませんが、念の為、後方から、チェーンラインを確認しました。 割締めボルトをトルクレンチで本締めして完了です。

後は、外しの逆です。



2007年11月16日付け、追記
なめたナットのお話(>_<)
チェーンのかしめが終わって、ドリブンスプロケット固定ボルトを締め付けていた時でした。
まだ、完全に締め終えていない時でした、急に、トルク感が無くなったのです。えっ、どうして、これから、本締めと思っていた時に・・
そうです、ナットをなめてしまったのです。いやー、ショック!

赤矢印の箇所に、ゆるみ止めの薄い鉄板が、ボルトのねじに食い込んでいます!(>_<)



自分では、治しませんでしたが、バイクやさんから教えて頂いた方法を紹介します。
バイクやさんから教わって、ショックが抜けてからですが、次回は、やってよろうと思いました。しかし、この時は、ショックでした。(>_<)

方法1
ボルトの中心に、センターポンチを打って、ドリル径の小から大に径を変えて穴を開けなおしていく。
この方法は知っていましたが、10mは結構大きいよね〜。8mmくらいでしたら、なんとかなると思う「とね」です。

方法2
裏側からボルトの頭をグラインダーで落とす。この方法は、ボルトで、挟んでいる部材によります。傷つけたくない部位は避けるべきでしょう。
この時も、この方法は、止めました。

方法3
バイクやさんが、薦めた方法です。
ナットとボルトの軸方向にグラインダーを少しずつ入れていく。
狭小な箇所でしたので、職人技をお願いした次第です。手が滑ってからでは、遅いのです。(・_・;)




作業を終えて
 チェーンのかしめ作業は、今回で2回目になりました。2度目ということで、何のためらいもなく、さくさくと出来ました。これぞ、「慣れ」でしょう。
 でも、これは、曲者です。なめたナットですが、ナット自体は、まだまだ、ピカピカの程度の良いものでした。
 締め付けに使用した工具は、差込角1/2です。あとから考えると、ねじサイズより大きいかもしれません。
 やはり、締め付けにくい工具を選ぶべきだったと思います。そうすれば、10mmもの太いサイズのねじが切れる前に、 締め付けをとどまったと思うからです。

 教訓
 締め付け工具は、力の入れずらい工具にすること。
 逆に、緩める時は、大きい工具を使用する

 程度の良いねじでも、グリスを塗ってから、ねじ込むべきです。(-_-;)

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